2010年7月30日金曜日

ひとりでうんちできるかな

4031310404ひとりでうんちできるかな (あかちゃんのあそびえほん (4))
・きむらゆういち
・偕成社; 1989年
・29p, 21.2 x 18.2 cm, ハードカバー, 上開き

要旨:おなじみ ゆうちゃんとケダモノたちが、それぞれの糞を読者に向けて披露する。

評価:人間の幼女ゆうちゃんとケダモノたちがたわむれる「あかちゃんのあそびえほん」シリーズ。内容はどうという事もないが、簡単な仕掛け絵本のため、子供には読ませやすい。子供の反応はそれほど良くなかった。

5段階評価:☆☆☆並(読ませやすい)

対象年齢:0〜2歳(1歳以上)

2010年7月28日水曜日

ダンボール (キンダーブック:しぜん)


ダンボール (キンダーブック3:しぜん)
・松山欣二(指導) 鶴田修(絵)
・フレーベル館; 1981年
・30p, 26.5 x 20.7 cm; ハードカバー

要旨:いったいダンボールとは何なのか。何でできていて、どうして丈夫なのか。家にあるダンボールでどんな遊びができるのか。どんな加工をすればいいのか。ダンボール加工の入門書。

評価:ダンボールの構造と性質をわかりやすく概説し、加工法および応用的な使用方法について述べられている。簡単な実験も掲載されており、親子で追試できる。絵は古くさいながら、親しみやすい。

5段階評価:☆☆☆☆良書(ダンボールについて学べる遊べる)

対象年齢:(3歳以上)

2010年7月26日月曜日

バスでおでかけ

4893255401バスでおでかけ
・間瀬なおかた
・ひさかたチャイルド; 2006年
・24p, 25 x 25 cm, ハードカバー

要旨:いまにも雪が降りだしそうな寒い日。父は行き先も告げないまま、妻と幼い二人の子をバスに乗せた。楽しそうな子供たちと対照的に無口な妻。どこまで行くのか… 父は目的地を言わないままバスを乗り換え、山奥へと向かった…

評価:バスが好きな男の子のためのバスの絵本。絵は細部まで描き込まれており、本筋とは別に様々な角度から楽しめる。細部を見始めれば、大人も楽しい。2歳から大興奮で、5歳程度まで十分楽しめる。2歳児連れの旅行の際には、真っ先にこれを勧める。

5段階評価:☆☆☆☆☆最良(男の子を連れた旅行に必携)

対象年齢:(2歳以上)

2010年7月24日土曜日

このブログの説明II

 20冊紹介記念です。

 絵本の批評を書きたいという思いは、子供が1歳になった頃からありました。その思いは、絵本「どうしてなの」に出会ってから強くなりました。この本は、いままで読んだ絵本の中でもダントツの最悪絵本です。そして、最後のページをめくるまでは非常に優れている(このブログで言えば「☆☆☆☆☆最良」)という点でも印象的な本です。

 子供のために本を読んでいるうちに、良い絵本にもたくさん出会いました。しかし、世間で好評価を得ている絵本の中にも、子供の心に嫌な刷り込みをするのではないかと心配になる絵本をいくつか見かけました。「くれよんのくろくん」もその一つです。著者は、「嫌われている奴でもほんとはいい奴かもしれないよ」というまともな教えについて書いたつもりかもしれません。しかし、わたしは「くれよんのくろくん」の感想に書いた通り、「役に立ったから仲間として認めてやるよ」という印象を受けました。Amazon.co.jpのレビューを見る限り、この絵本は好評価を得ているようであり、わたしの感じたような、負の側面については誰も公表しないようです。
 その他の絵本でも、Amazonなどの書評とわたしの感想が食い違う事は多々経験しました。わたしの感想が他の人と異なるならば、インターネット上で公開する事にも意味があると考え、ブログを始めた次第です。

 絵本が面白い一つの理由は、「なんでもあり」なところです。
ストーリーが破綻していても、絵がむちゃくちゃでも堂々と出版されています。大人には奇怪な本でも、子供とは親和性が高いからわざとそのような本を作っているのかもしれないし、このような「大人にわからない子供の特殊性」を親が勘違いする事を狙っていい加減な本を作っているのかもしれません。
 これら奇怪な絵本の解釈は幅広く分かれる事でしょう。この点についてもわたしの考えをインターネットで公開する事に意義を感じました。

 わたしの子供は絵本が好きです。おそらく他のお子さんも同じように絵本が好きでしょう。絵本を読む事は、大雑把に言ってテレビと似た、ただの娯楽と思います。しかしテレビなどと異なる点は、反復回数が非常に多い事、時間あたりの情報量が少ない事、寝る直前に見る事が多い事です。いずれの特徴も内容について考える機会を子供に与えるものだと思われます。
 大人の感じる絵本の印象と実際に子供が感じる印象にどれほど共通性があるのかわかりません。しかし、多くの絵本が表に裏に「道徳心」をあおってくるのならば、その絵本の「道徳心」が自分の子供に与えたいものであるかどうか、吟味したくなるのが親心です。

 絵本を買う前に、図書館で借りて読んでみればいいかもしれません。しかし、一部の人は様々な理由でそれができません。わたしもその一人です。みんながいいと言っているこの絵本は本当にいいのか? そんな猜疑心あふれる人がこのブログを参考にしてくれれば一番うれしいです。

2010年7月22日木曜日

てとてとてとて

4834023273てとてとてとて
著者:浜田桂子
出版社:福音館書店
発売日:2002年
大きさ:28p, 26 x 23 cm, ハードカバー

要旨:手は、楽器になるし、道具になるし、言葉のかわりにもなるし、気持ちも伝わる。

評価:手の働きについて、体系的に理解できる良書。様々な場面で使う手の働きを、機能別に分類し役割を概説する。点字、手話についても説明あり。

5段階評価:☆☆☆☆良書(手の働きについて体系的に学べる)

対象年齢:4歳以上 (3歳以上)

2010年7月20日火曜日

もしもしおでんわ

4494001074もしもしおでんわ (松谷みよ子あかちゃんの本)
著者:松谷 みよ子(作)いわさき ちひろ(絵)
出版社:童心社
発売日:1970年5月
大きさ:20p, 21 x 18.4 cm, ハードカバー

要旨:おひさま や ちょうちょう など、いろいろなところから電話が掛かってくる人気者の少女モモちゃん。そんなモモちゃんが突然いなくなり、薄暗い部屋に電話の呼び出し音だけがけたたましく鳴り響く。いったいモモちゃんはどこに行ってしまったのか…

評価:話にほとんど意味はなく、0歳から楽しめる。万人向け。

5段階評価:☆☆☆並(万人向け)

対象年齢:0歳以上

2010年7月18日日曜日

トムテ

4039610903トムテ
・ヴィクトール・リードベリ(作)、ハラルド・ウィーベリ (イラスト)、山内 清子 (翻訳)
・偕成社; 1960年(原文1882年)
・30p, 22 x 28 cm, ハードカバー

要旨:「人(の命)はどこから来てどこに行くのか」永遠の命を生きる妖精トムテが、限りある人間の生命の不思議を問う。

評価:スウェーデンの農家などにすむ妖精トムテを主人公とした絵本。老いたトムテが問い続けるナゾは、疑う事を許さないキリスト教と異なり、八百万の神であるトムテにふさわしい。真冬の夜の農場を描いた絵は、文とあいまって美しい。スウェーデンの絵本だが、日本人の感性とも合致する。

5段階評価:☆☆☆☆☆最良(文も絵も美しい)

対象年齢:(4歳以上)

2010年7月16日金曜日

どうぶつえんガイド

4834012883どうぶつえんガイド―よんでたのしい!いってたのしい! (福音館のかがくのほん)
・あべ弘士(作・絵) なかのまさたか(デザイン)
・福音館書店; 1995年
・88p, 26 x 23 cm, ハードカバー

要旨:動物園で見られる生き物の特徴を、冗談と真実をごちゃ混ぜにして解説。41種を掲載。

評価:動物の絵は抽象的でわかりにくく、動物の特徴を捉える事が難しい。本の目的と合致しない奇怪本。各動物の説明も偏りが強く、定番の知識を与えない事も多い。冗談も大量に混ぜてあるが、面白い訳ではなく、大人は説明に窮する場面が多々ある。冗談と事実の区別もわかりにくい。
 ちなみに厚生省中央児童福祉審議会推薦、全国学校図書館協議会選定、日本図書館協会選定のエリート絵本。

5段階評価:☆☆不満(絵が分かりにくい)

対象年齢:4歳〜大人(4歳以上)

2010年7月14日水曜日

エレンのりんごの木

4566008886エレンのりんごの木 (児童図書館・絵本の部屋)
カタリーナ クルースヴァル, Catarina Kruusval (作), ひだに れいこ (訳)
評論社; 2009年
30p, 28.2 x 22.2 cm, ハードカバー

要旨:エレンとオッレは庭にあるりんごの大木が大好き。ある夜、嵐でりんごの木が倒れてしまう。悲しむ二人を案じた両親が、りんごの若木を後釜に植える。果たして若木はエレンに受け入れられるのか…

評価:シンプルだが、抑揚のあるストーリー展開で読んでいて楽しい。さわやかな南スウェーデンの雰囲気が伝わる。

5段階評価:☆☆☆☆良書(抑揚のある良いストーリー)

対象年齢:4歳以上

2010年7月13日火曜日

ブタヤマさんたらブタヤマさん

4580815513ブタヤマさんたらブタヤマさん (えほんのもり 9)
著者:長 新太
出版社:文研出版
発売日:1986年
大きさ:28p, 26 x 21 cm, ハードカバー

要旨:蝶を捕る事に夢中の中年の豚、ブタヤマ。そんなブタヤマの背後に様々な もののけが忍び寄る。

評価:意味の分からない奇怪本。ナンセンス本と思われるが、悪書ではない。
 ストーリーは無く、延々と もののけが襲来する。子供の反応は悪くなく、リピート頻度も並。1−2歳にかけて人気か。動物の名前は教えられる。

5段階評価:☆☆☆並(奇怪本)

対象年齢:(1歳以上)

2010年7月10日土曜日

ちょっとだけ

4834022994ちょっとだけ (こどものとも絵本)
著者:瀧村 有子 (作), 鈴木 永子 (絵)
出版社:福音館書店
発売日:2007年11月
大きさ:31p, 26.2 x 19.4 cm, ハードカバー

要旨:赤ちゃんが生まれて、お姉ちゃんになった なっちゃん。お母さんにかまってもらえなくなったぶん、いろいろな事を自分でするようになった、スーパーいい子ちゃんの一日.

評価:親の都合を押し付ける問題図書。弟(妹)が生まれても文句を言わないなっちゃんは、第二子の世話と赤ちゃん返りした第一子に苦労する親から見た、第一子の理想像。親の理想像への誘導であり、子供の気持ちを顧みない。絵はほんわか系で悪くないが、「ちょっとだけ」の反復が内容と相まって、朗読はいらつく。

5段階評価:☆要注意(大人の都合を押しつけ)

対象年齢:2歳以上

2010年7月8日木曜日

はじめてのおつかい

4834005259はじめてのおつかい(こどものとも傑作集)
著者:筒井頼子(作)林明子(絵)
出版社:福音館書店
発売日:1976年3月
大きさ:32p, 20 x 27 cm, ハードカバー

要旨:はじめてのおつかいを言いつけられた5歳のみいちゃん。現金を握りしめ、近所の雑貨屋へ一人で向かう。幾多の困難をくぐり抜け、無事に買い物を果たしたみいちゃんを待っていたものは?

評価:臨場感があり、5歳の少女のドキドキが伝わってくる。ただ、5歳児を一人で外出させたり、赤ちゃんに牛乳をあげるなど、時代遅れの感は否めない。20年後も読まれるためには改訂が必要だろう。
 日本図書館協会選定、厚生省中央児童福祉審議会推薦。
5段階評価:☆☆☆☆良書(どきどきハラハラさせる)

対象年齢:3歳以上

2010年7月7日水曜日

このいろなあに

432300107Xこのいろなあに (あかちゃんとおかあさんの絵本 7)
著者:せな けいこ
出版社:金の星社
発売日:1981年7月
大きさ:25p, 21 x 18 cm, ハードカバー

要旨:ピンクのバラの花と同じ色のカーテンの中にいるルリちゃんがオレンジ色のみかんを剥いてオレンジ色の夕焼けに黒いカラスが… ネバー エンディング カラー ストーリー。

評価:色の名称について、無理なく押し付けなく学べる。本文にはリズムがあり、朗読も非常に快適。切り絵風のわかりやすい絵と相まってテンポよく進む。子供の反応もよし。

5段階評価:☆☆☆☆良書(押し付けなく色を学べる)

対象年齢:0-2歳(2歳以上)

2010年7月6日火曜日

しろねこしろちゃん

4834020428しろねこしろちゃん (幼児絵本シリーズ)
著者:森 佐智子(文) MAYA MAXX(絵)
福音館書店 2005-03-10
ISBN-10: 4834020428
23p, 20.8 x 20.4 cm

要旨:母親とも兄弟とも容姿が異なる子猫、しろちゃん。自分の容姿を少しでも家族に似せようと努力するも徒労に終わる。悲しみに暮れるしろちゃんのそばを一匹の猫が通り過ぎる。容姿端麗なこの猫の正体とは!

評価:「みにくいアヒルの子」がモチーフかと思わせる良書。「みにくいアヒルの子」のような潜在的な不平等性は感じられず、平等で現代的、家族愛があり、そして非常に短くまとめてある。
 短く、読み聞かせは容易。ほぼ白黒の絵もよし。

5段階評価:☆☆☆☆良書(ストーリー良し)

対象:0-2歳(1-2歳)

2010年7月5日月曜日

はははのはなし

4834003191はははのはなし (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
著者:加古 里子
出版社:福音館書店
発売日:1970年6月
大きさ:24p, 26 x 23 cm, ハードカバー

要旨:虫歯になると、みんなが笑っているときに一人泣く事になり、やせて弱くなり、病気になり、うまく歌や話ができなくなり、イライラした人になる。

評価:子供の歯ブラシに手こずる親には役に立つかもしれないが、あまりにも脅迫しすぎている。子供には、虫歯にもなってほしくないが、人を脅迫する人にもなってほしくない。
 歯の役割については科学的に学べる。

5段階評価:☆☆☆並(脅迫し過ぎ)

対象年齢:2歳以上

2010年7月3日土曜日

こぶたのみっぷちゃっぷやっぷ

4494009504こぶたのみっぷちゃっぷやっぷ (絵本・こどものひろば)
著者:筒井 頼子(文); はた こうしろう(絵)
出版社:童心社
発売日: 2005年7月
ISBN-10: 4494009504
ページ数と大きさ: 32P, 26.6 x 19.1 cm ハードカバー

要旨:庭のブンタンが熟すのをいまかいまかと待ち続ける5匹の豚家族。みんなで食べようと決めた当日、昨日まであったブンタンが5個減っていることに気が付く。ブンタンを食べたのは誰なのか? 家庭内に猜疑心が吹き荒れる中、犯人探しが始まる。。。

評価:話が無駄に長く、おもしろくもない。
 クライマックスとなるブンタン消失事件には明らかな矛盾がある。論理性を培うにはこの矛盾を子供に教えたいが困難。

5段階評価:☆☆☆並(冗長)

対象:(3-5歳)

2010年7月2日金曜日

やさいのはっぴょうかいおおさわぎ

4569686702やさいのはっぴょうかいおおさわぎ (PHPわたしのえほんシリーズ)
著者:さくら ともこ(作) 米山 永一(絵)
出版社:PHP研究所
発売日: 2007-02
ISBN-10: 4569686702
ページ数と大きさ: ?P, 25.2 x 19.2 cm ハードカバー

要旨:野菜ばかりが集まる幼稚園。タマネギ園長の計らいで、「大きなカブ」を演じる事になる。立派に役割を果たす児童たちと対照的に緊張感を失った園長の失態で、劇は思いがけない展開を見せるが...

評価:だじゃれのオンパレード。読んでいる大人はイライラするだろう。言語未発達な子供にだじゃれが有益かも、はなはだ疑問に感じる。絵はカラフルで、情緒は無い。

5段階評価:☆☆不満(イライラする)

対象:(1-3歳)